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毛皮エッセー

vol.20

人気の毛皮「チンチラ」

チンチラ

「チンチラ」という毛皮をご存知でしようか。前からこの素材についてご質問が多かったので、少しお話しさせていただきます。

チンチラはウサギによく似た小動物で、かつて「幻の毛皮」と呼ばれていました。標高の高い山脈に棲息していたため入手が難しかったからです。(今では養殖されてはいます)チンチラは大変高価でぜいたくな毛皮で、絹のように非常に柔らかい風合いを一度知ってしまうと、病みつきになる人が多いようです。ただ非常にデリケートな毛皮なので取り扱いが難しく、修理も容易でないためリフォームもできません。これからチンチラを楽しみたい人は、衿や袖口の部分使いを選んだほうがよいでしょう。カシミアコートの衿や袖口にチンチラをあしらったタイプが出ていますので、お薦めします。

選び方のポイントは「毛皮が取り外せるようになっている」こと。クリーニングの手間がかかりませんし、傷んだ場合交換も容易です。今年のシーズンもまた流行りそうな毛皮、チャレンジしてみてもいいかもしれませんね。


vol.19

毛皮のメンテナンス〜保管〜

もう毛皮のシーズンも終わり。皆さんはどのような毛皮のメンテナンスを考えていますでしようか。今回はメンテナンスの一つ「毛皮の保管」についてお話しします。

これからの時期、日本は湿気が多くなり、毛皮にとって良くない環境になってきます。タンスの中に毛皮をしまったままにしまっておくと、次のようなことにもなりかねません。

1.皮が湿気を吸ってしまい、カビが発生する
2.虫が付いて毛が抜け、毛艶(けづや)が悪くなる
3.ぎゅうぎゅう詰めで毛が折れる

家庭でも保管は出来ますが、スペース的な問題を考えると専門店に頼んだ方が良いでしょう。現在、毛皮の保管を請け負っているのは、トランクルーム、クリーニング店、毛皮屋です。期間や料金などはまちまちですので、一度比べてみてはどうでしょうか。ただ、私は買ったお店に頼むのがベストだと思っています。多くの毛皮屋ではこの時期、みなさんに保管案内の葉書や連絡をします。面倒臭いと思われるでしようが、しっかりとしたアフターケアは、美しい毛並みを保つために必要です。毛皮の健康を守るのは皆さんの判断と専門店の役目だと思います。


vol.18

軽くて暖か「ライナーコート」

軽くて暖か「ライナーコート」

最近、ある方からお問い合わせをいただきました。「昔(約15年ぐらい)経った毛皮のコートを母親から譲り受けたが、そのままでは着ることが出来ない。良いアイデアは有りませんか」との内容でした。

コートは90cm丈の並毛のミンクコートということで、そのコートをあまり手を加えず、リーズナブルにできる「ライナーコート」へのリフォームをお薦めしました。新しく作りなおす場合は表地はお好きな素材が選べますし、今ご自身がお持ちのコートに取り付けるライナーにも加工できます。見た目と実用性を兼ね備えた、とても良いリフォーム方法です。生地によって値段が異なりますが、みなさんが思うほど値が張るわけではありません。

たとえばグレースでは数種類のライナー用のシルクやコートのデザインの見本も用意しています。(コラムの第8回目やグレースのHP、グレースクラブなどでもケアやリフォームについてふれているので参考にして下さい)

余談になりますが、シーズンオフのケア次第であなたの毛皮の寿命が決まります。近くの毛皮屋さんに相談してみてはいかがでしようか。いつまでも美しい毛並みの毛皮を着ていただきたい、そう思っています。


vol.17

オス&メス

毛皮の中で最もポピュラーなものといえば、ミンクを思い浮かべる方が多いと思います。実際、街中で見かける毛皮の大半がミンクの製品であったり、初めて買った毛皮がミンクであったりと、とても馴染み深い素材です。

まず、オスのミンクの特徴ですが、差毛「上毛」が太く、綿毛「下毛」との長さに差があります。とても艶があり、ワイルド感があります。皮もメスに比べると厚く、多少重くなりますが、とても丈夫です。一方メスのミンクですが、 差毛と綿毛との長さの差がなく、差毛も細くしなやかで、柔らかい風合いを持っています。皮も薄く、ロングコートを作る場合は、軽く仕上がります。今ではメスのミンクの方がニーズが多く、値段もが高くなります。皆さんがお持ちのミンクのコートはオス? それともメス?一度調べてみてはいかがでしようか。


vol.16

毛皮の歴史

毛皮の歴史

毛皮は人類が初めて身に纏った衣類。その時代の人々は、動物の肉を食べ、残った皮を衣類として使用して寒さをしのいでいました。

毛皮を装飾的に使い始めたのが、BC2000年頃。高貴な人たちは下半身だけを覆うスカート風な毛皮「カナケス」を身につけていました。この時代の毛皮は、地位の高さや権威の象徴として重要視されていたということです。

毛皮が本格的に流行り始めたのは14〜15世紀頃。この頃から手工業者の間に組合が形成され、なめし業、仕立業と分業化されていきます。一方でこの時代は、一部の限られた人達だけしか毛皮を着ることができませんでした。一般的に普及しはじめたのは19世紀に入ってから。さらに安定して毛皮を供給できるようになったのは、養殖に成功した20世紀中期ぐらいからでした。

日本では明治37、8年日露戦争で生産、輸出が増え、ファッシヨンとして毛皮が注目を浴びるようになったのは1970年代頃からです。そして21世紀を迎えた今、毛皮はどのように、受け入れられていくのでしようか、しっかりと見守っていきたいと思います。


vol.15

毛皮の街「銀座」

毛皮の街「銀座」

銀座もクリスマスのイルミネーションでデコレーションされ、 とてもキレイな季節になりました。銀座和光のディスプレイ前や、ミキモトの大きいクリスマスツリーの前の待ち合わせ場所では、あちらこちらで、毛皮を羽織った人達を見かけます。最近は毛皮ブームで、若い年齢層の方達が毛皮をとても上手く着こなしているのを見かけます。

これは、私なりの想いですが、銀座という場所は、毛皮がとても良く似合う雰囲気を持っている街だと思います。この銀座は毛皮屋が集中している場所です。だから、この銀座で毛皮を着ている人達が多いのも分かるような気がします。

それにシーズンを先取りして、毛皮を着ているのを見掛けるのも銀座だと思います。私はこの季節になるとよく街を散歩します。この時期の銀座は、まるで毛皮の品評会のようです。色々な毛皮が見られます。そのコート一つひとつに表情があり、時代が感じられ、銀座の街並みに溶け込んでいます。銀座と毛皮はとても良いパートナーシップで結びついているようです。これは、これからも変わることなくいたいものです。


vol.14

リフォームのこと

リフォームのこと

毛皮という素材は、本来とても丈夫にできています。正しい着方を心がけ、正しい保管をしていれば、とても長い間楽しめます。

最近はHPで見たのでしょうか、リフォームについての質問が多く寄せられています。リフォームは、だいたい3〜8月までのオフシーズンに頼むのがポイントです。日本では毛皮の技術者の絶対数が少なく、いつでも簡単に依頼に応じるられません。またリフォームの内容によっては時間が多少かかるものもあります。その辺を見込んだほうがよいというわけです。それからすべての毛皮がリフォームに耐えられるとは限りません。

「ミンクのロングコートをショートコートにしたい」と希望し、来店された方がいらっしゃいましたが、すり減った皮の部分が手直しで切れてしまう恐れがあったので、 バッグを作ることになりました。このように、リフォームは技術者やデザイナーとじっくりと話し合った上で、行うべきでしょう。

なお、弊社ではリフォームのカウンセリングでは料金をいただいておりません。そして十分納得したうえで進めていきます。毛皮のリフォームをお考えの方は、どうぞ気兼ねなく、毛皮をお持ちください。毛皮は母から娘や孫へ受け継いでいくことができる素晴らしい素材ですから。


vol.13

毛皮の最高峰「セーブル」

セーブル

長い毛皮の歴史の中で、現在でも毛皮の最高峰とされているセーブル。

昔は貴族の権威の象徴として、または王位を示すものとして、高貴な衣装の代表として使われてきました毛質は、ミンクよりも細くて深く、柔らかな刺毛と密生した綿毛を持ち、絹のような艶があります。色は黒に近い暗褐色から淡粘土色まで幅があります。とくにシベリア産のロシアンセーブルは最高品質とされ、上品な艶と深々とした感触は、まさに王冠を飾るにふさわしい格調の高さを持っています。 るものすべてを上品で高貴な雰囲気を演出し、引き出してくれる−−そんな力をもった毛皮です。


vol.12

毛皮でニット!?

毛皮でニット!?

カジュアル指向が強くなっている毛皮。各メーカーは毛皮を刈毛にしたり、丈を短めにしたり、色をカラフルなものにするなどして、試行錯誤を繰り返しながら独自のコレクションを展開しています。短いシーズンのなかでいかに数多く毛皮を着ていただくためです。様々なテクニックの中で今注目されつつあるのは、ニット編みの技法。これは十数年ほど前に生まれたもので、各社をも独自の編み方があるようです。ミンクやヌートリア、ラビット、ビーバーなどを使いますが、とくにビーバーニットは人気があります。

ニット編みのよいところは着ると吸い付くような感じがし、セーターっぽく見えるため、毛皮のよさを残したままなのにカジュアルに着こなせるという点です。首の辺りがとてもソフトで、一度着たらクセになってしまうほど。弊社のお客さまの中では、このビーバーニットを羽織って犬の散歩をしたり、自転車に乗ったり、室内着にしたりと幅広く楽しんでいらっしゃるようです。カーデガンの感覚で着られるので、普段着のように長くお付き合いができる一着だと思います。


vol.11

隠れたオシャレ

隠れたオシャレ

今回のテーマ「裏地」についてお話します。毛皮に裏地はつきものですが、実はちゃんとした理由があるんです。毛皮は特殊な縫い方をしているので、そのままではニットやブラウスなどが引っかかり、滑りづらく着づらくなってしまいまうのです。また縫い目から綿毛がはみ出してしまい、インナーが毛だらけになるのを防止し、さらに毛皮そのものの耐久性を上げる役目もあります。もちろんファッションの一部としての見方もあります。お客様にはエルメスのスカーフを裏地に付けて欲しいと希望される方(なんて贅沢な!)、四半世紀以上前のコートのすばらしい刺繍が施されている裏地を大切にしている方、など、隠れたオシャレに対しての追求にはこちらも頭が下がる思いです。

最近の裏地は大変カラフルで、柄なども豊富になり、ファッションの一部として確立されてきました。コートの地味な裏地を鮮やかなものにチェンジするだけで、新しく感じたり、着やすくなったりします。ぜひ一度裏地の交換をしてみてはいかがでしょうか。

 

 


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